e.maxプレス製品について
IPS e.max プレスとは
プレステクノロジーのためのニケイ酸リチウムガラスセラミックスです。
IPS e.max プレスは、400MPaの強度を誇りながらも同時に適合の正確性、審美性を兼ね備えています。インゴットは、ケースや製作テクニック(ステイニング、カットバックまたはレイヤリングテクニック)に応じて選択します。修復物は、色調に合ったIPS e.max セラム シェード・エッセンス材または陶材を使用してキャラクタライゼーションをすることにより、支台歯のシェードに関係なく自然に見えます。
ケースにより、IPS e.max プレスの修復物には、接着性レジンセメント、セルフアドヒーシブタイプのレジンセメント、または従来型セメントがそれぞれ使用できます。接着には、バリオリンクⅡ、バリオリンクベニア、マルチリンクオートミックス、スピードセムをお勧めします。
特徴
抜群の審美性と優れた耐久力を持つオールセラミックス材料
IPS e.max のプレス・インゴットは、高い強度と均一性を持った審美性の高い高性能の二ケイ酸リチウムのガラスセラミックス製で、正確にフィットする修復物を作成することができます。400Mpaの高い曲げ強度
e.max プレス・インゴットは、従来のガラスセラミック(一般的な陶材は、約80Mpa)にはありえなかった曲げ強度400Mpaを誇る均一性の高いインゴットです。天然歯に近い摩耗性
ジルコニウム製セラミックスは、高い透明度で審美性が高く、天然歯よりもはるかに高い強度を誇っていますが、天然歯や顎関節に影響があるという考えもあります。しかし、e.max プレスは高強度でありながら、天然歯に近い摩耗性を持っているため、例え対合歯が天然歯であったとしても、先行して摩耗するのはe.max製の補綴修復物になりますので、天然歯に優しい素材となっています。
また、より天然歯の磨耗を抑え、e.max製の補綴修復物側を磨耗させるために、ステイニングよりも厚めに、専用陶材であるe.maxセラム(強度:90Mpa)を盛られて、より患者様が負担を感じないように工夫する方法もあります。
高い透過性
e.max プレスは、高い透明度を持つ材料から、支台歯色をマスキングする材料まで、5段階の透明度により、失活歯をもつ患者さんに対しても光透過性の高い、天然歯のようなシェード効果をもつ、オールセラミックスの修復物を作製することが可能です。天然歯を追求する豊富な透明度
豊富な透明度のインゴッドで様々なケースに対応します。天然歯のように自然なグラデーションを持つMultiや中透明度のMTも新登場し、より効率的に審美性が高い修復物を制作できます。インゴットには、1つのサイズ(Mサイズ)からなるグラデーション付きMultiインゴットと、2つのサイズ(S、Lサイズ)からなる5段階の透明度(HT、MT、LT、MO、HO)およびインパルスがあります。HT インゴット(高透明度)
HT (ハイトランスルーセンシ―)インゴットは、ステイニングやカットバックテクニック用で、20種類のA-Dおよびブリーチシェードがあります。高い透明度により、特に小さな修復物(インレー、アンレー)の製作に適しています。HTで製作した修復物は、天然歯に対しカメレオン効果を発揮し、周辺の歯質と高く調和します。MTインゴット(中透明度)NEW
MT(ミディアムトランスルーセンシ―)インゴットは、10種類のA-Dおよびブリーチシェードがあります。HTとLTの中間程度となる透明度で、ステイニングやカットバックテクニックにより、HTより明度が高く、LTより透明度が高い修復物を製作できます。LTインゴット(低透明度)
LT(ロートランスルーセンシ―)インゴットは、ステイニングやカットバックテクニック用で、20種類のA-Dおよびブリーチシェードがあります。インゴットは色相に合わせてシェード付けされているので、ステイニングや陶材築盛を最小限に抑えられます。MO インゴット(中不透明度)
MO(ミディアムオペーシティ)インゴットは、レイヤリングテクニック用で、5種類のシェードがあります。若干変色した支台歯上のフレーム製作に適しており、IPS e.max セラムを築盛して歯冠形態を回復します。シェードの濃度が高くなると、インゴットの蛍光性は減少します。HO インゴット(高不透明度)
HO(ハイオペーシティ)インゴットは、レイヤリングテクニック用で、3種類のシェードがあります。高い不透明性のため、失活歯または重度に変色した支台歯のフレーム製作に適しており、メタルコアを一部カバーする場合にも役立ちます。高い不透明性で下部構造をマスキングし、支台歯のシェードが非常に濃く色調再現が困難なケースでも、生活歯のような修復物を製作できます。インパルス インゴット
明度が違う2種類のオパール(O1、O2)があり、陶材築盛せずにオパール効果を再現する、エナメル質を再生させたようなシェードです。主にシンベニア(0.3mm)のようなMIを重視した修復物の製作にも適しています。従来のバリューインゴット(V1、V2、V3)は、新たに加わるMTインゴット(B1、BL4、BL3)で対応します。
e.maxの適応範囲
- シンベニア(0.3mm)、ベニア
- テーブルトップ(咬合面のベニア)
- インレー、アンレー
- パーシャルクラウン、クラウン
- インプラント上部構造(2ピースタイプ、1ピースタイプ) など
※連結は不可